更新 2026.09.29
CTI総合窓口 編集部(コールセンター業界20年) 約7分
少人数・ スモールスタートCTI比較 — 1席で 始めるなら、 月額の 安い 順は 当てにならない
1名〜数名でCTIを始めたいチーム向けに、主要13社を「1席から契約できるか」「初期費用」「最低契約期間」で比較。1席1年の総額で並べ直すと、月額の安い順とは順位が入れ替わります。その理由をデータで示します。
まず1名で試したい。うまくいけば3名、5名と増やしたい。CTI導入の入口としては自然な考え方です。
ところが各社の料金表を「席あたり月額の安い順」に並べても、少人数の実態には合いません。1席で1年使ったときの総額で並べ直すと、料金を公開している7社のうち5社で順位が入れ替わります。
ここでは当窓口がデータを保有するCTIのうち13社を、少人数で始める観点から整理します。
数値・機能は各社の公開情報と社内リサーチ(2025〜2026年時点)に基づきます。出典に無い項目は「非公開」「要問合せ」と明記し、推測しません。
まず、 1席から 契約できるか
13社のうち11社は1IDから契約できます。少人数であること自体が障害になる製品は、実は多くありません。
一方で、次の2社は1席では始められません。
| 製品 | 最低単位 | 位置づけ |
|---|---|---|
| BlueBean | 5ID から | 小規模チームには最低5席ぶんの費用がかかる |
| Omnia LINK | 10席以上が前提 | 専用線構成のため、コンタクトセンター規模向け |
どちらも製品として劣るという話ではなく、想定している規模が違うということです。3名のチームがBlueBeanを検討すると、使わない2席ぶんを払い続けることになります。
1席・ 1年の 総額で 並べ 直す
1席から契約でき、かつ料金を公開している7社について、初期費用 +(基本料+席単価)× 12ヶ月で総額を出しました。
| 順位 | 製品 | 初期費用 | 基本料/月 | 席単価/月 | 1席・1年の総額 | 最低契約 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | CallConnect | 0円 | 0円 | 2,400円 | 28,800円 | なし |
| 2 | MiiTel | 9,091円 | 0円 | 5,980円 | 80,851円 | なし |
| 3 | GoodCall | 10,000円 | 5,000円 | 4,000円 | 118,000円 | 12ヶ月 |
| 4 | lisnavi | 0円 | 10,000円 | 5,000円 | 180,000円 | 12ヶ月 |
| 5 | アポ王 | 0円 | 8,000円 | 8,000円 | 192,000円 | 3ヶ月 |
| 6 | Comdesk Lead | 150,000円 | 0円 | 6,000円 | 222,000円 | 12ヶ月 |
| 7 | CT-e1/SaaS | 300,000円 | 0円 | 5,000円 | 360,000円 | 1ヶ月 |
すべて税抜です。MiiTelの公開価格は税込(月額6,578円/初期10,000円)のため、税抜に換算しています。アポ王の基本料8,000円は「サーバー料金」で、ライセンス数に応じて段階的に上がります(1〜9で8,000円、10〜14で10,000円ほか)。CT-e1/SaaSの席単価5,000円はシートライセンスのみの額で、別途、外線ライセンスと管理者ライセンスが各5,000円必要になるため、実際の総額は表より上振れします。通話料は各社で課金方式が異なるため含めていません(CTI通話料・ランニングコスト比較を参照)。
席単価の 順位は、 総額の 順位と 一致しない
同じ7社を席単価だけで並べると、こうなります。
| 席単価の順位 | 製品 | 席単価 | → 総額の順位 |
|---|---|---|---|
| 1 | CallConnect | 2,400円 | 1位 |
| 2 | GoodCall | 4,000円 | 3位 |
| 3 | lisnavi | 5,000円 | 4位 |
| 3 | CT-e1/SaaS | 5,000円 | 7位 |
| 5 | MiiTel | 5,980円 | 2位 |
| 6 | Comdesk Lead | 6,000円 | 6位 |
| 7 | アポ王 | 8,000円 | 5位 |
7社中5社で順位が入れ替わり、うち3社は2つ以上動きます。 席単価5位のMiiTelが総額では2位に上がり、席単価3位タイのCT-e1/SaaSは7位まで下がります。席単価が最も高いアポ王も、初期費用がかからないぶん総額では5位に上がります。
月額の安さだけを見て絞り込むと、少人数では逆の結論に着地します。
逆転を 生む 3つの 要因
1. 基本料は、 席数が 少ないほど 重くのしかかる
席数に関係なくかかる基本料は、席数で割ることになります。1席なら、基本料はまるごと1人ぶんの負担です。
- GoodCall は基本料5,000円+席単価4,000円。1席だと、基本料のほうが席単価より1,000円高い計算になります。
- lisnavi はテナント10,000円+ブース5,000円。1席なら実質15,000円/月で、席単価の3倍です。
どちらも席数が増えれば1席あたりは下がります。10席ならGoodCallは4,500円/席、lisnaviは6,000円/席です。基本料を持つ製品は、少人数で不利・大人数で有利という性質を持っています。
2. 初期費用は、 短く 使うほど 効く
CT-e1/SaaS は初期30万円、Comdesk Lead は初期15万円です。これを1年で割ると、CT-e1は月25,000円、Comdeskは月12,500円が上乗せされる計算になります。席単価が5,000円・6,000円であることを考えると、初期費用のほうが大きい。
長く使えば1ヶ月あたりの負担は下がります。逆に言えば、「まず試す」段階で初期費用の大きい製品を選ぶと、試す行為そのものが高くつきます。
3. 最低契約期間 ─ ─ 合わなかったときに、 やめられるか
少人数のスモールスタートで最も見落とされるのがここです。
| 最低契約期間 | 製品 |
|---|---|
| なし(いつでも解約可) | CallConnect / MiiTel |
| 1ヶ月 | CT-e1/SaaS / CALLTREE |
| 3ヶ月 | アポ王 |
| 12ヶ月 | GoodCall / lisnavi / Comdesk Lead |
12ヶ月縛りの製品は、合わないと分かっても1年間は払い続けることになります。 1席・1年の総額表でGoodCall(118,000円)・lisnavi(180,000円)・Comdesk Lead(222,000円)の額が重いのは、単に高いからではなく、その額が「試した結果」ではなく「確定した支出」だからです。
試用の段階では、契約期間の短さは価格そのものと同じ重みを持ちます。
料金非公開の 4社
Mostable・CALLTREE・OMNI CONTACT・ソクコムは、席単価または総額が非公開です。いずれも1IDから契約できますが、総額を事前に見積もれません。
このうちソクコムは初期費用10万円が公開されています。なお、ソクコムは旧エバーコール(Ever Call)の移行先で、エバーコールは提供元の移行に伴い本記事の比較対象から外しました(2026年9月)。CALLTREEは契約1ヶ月更新・1名からと明記されており、最低契約の短さは確認できます。
少人数で問い合わせる際は、次の3点を必ず確認してください。
1. 1席のときの月額総額 ── 基本料を含めていくらか2. 初期費用 ── キャンペーンの有無と、適用条件3. 最低契約期間と解約条件 ── 途中解約時の違約金があるか
選び 方
- とにかく小さく試したい → 初期費用0円・契約縛りなしの CallConnect。1席1年28,800円で、2位のMiiTel(80,851円)と3倍近い差があります。
- 試したうえで発信を伸ばしたい → 縛り3ヶ月の アポ王 が中間解です。ただし席単価8,000円に加えてサーバー料金8,000円がかかるため、1席なら月16,000円です。13ヶ月以上の継続で席単価が4,000円に下がるので、続ける前提なら2年目から負担が軽くなります。
- 通話の分析・教育に投資したい → MiiTel は初期9,091円・縛りなしで、1席1年80,851円。ただし通話料が従量課金のため、発信量が多いと総額は変わります(MiiTelの評判・料金・弱点)。
- 将来10席以上まで増やす見込みが固い → 基本料型(GoodCall・lisnavi)や初期費用型(Comdesk Lead・CT-e1)は、席数が増えるほど有利に転じます。増員計画が具体的なら、1席時点の不利は受け入れる判断もあります。
少人数のCTI選びは、「今いくらか」ではなく「やめられるか」から考えるほうが失敗しません。 増員は後からでもできますが、縛られた契約は後から解けません。
注意事項
- 本記事の数値は2025〜2026年時点の公開情報と社内リサーチに基づきます。
- 料金・契約条件は改定される場合があります。契約前に各社の最新情報をご確認ください。
- 総額はあくまで公開値からの計算です。通話料・オプション・キャンペーンは含みません。