更新 2026.10.02
CTI総合窓口 編集部(コールセンター業界20年) 約9分
大規模インバウンド向け CTI比較 — 席数が 増えたとき、 先に 壊れるのは 機能ではない
受電規模の大きいコールセンター向けに、受信対応CTI 7社をACD・待ち呼・モニタリングの充足、席数別の月額、障害時のサポート体制で比較。機能の有無より、規模の実績と障害対応で差がつきます。
受電を数十席規模で回すとき、CTIの選び方は少人数のときとまったく変わります。機能一覧は各社そろっており、そこで差はつきません。差がつくのは、その規模で実際に動いた実績があるかと、止まったときに誰が対応するかです。
ここでは当窓口がデータを保有する受信対応CTI 7社を、大規模受電の観点で整理します。
数値・機能は各社の公開情報と社内リサーチ(2025〜2026年時点)に基づきます。出典に無い項目は「非公開」「情報未確認」と明記し、推測しません。
大規模受電で 効くのは、 この 3つ
席数が増えると必要になる機能は、次の3つに集約されます。
- ACD(自動着信分配) ── 入電をオペレーターへ自動で振り分ける。手動の取り次ぎは規模が増えると破綻します
- 待ち呼(キューイング) ── 全員が話中のとき、入電を待たせて順に接続する。これが無いと溢れた電話はそのまま失われます
- モニタリング / ウィスパリング ── 管理者が通話を聞き、オペレーターにだけ助言を入れる。品質管理と新人育成の要です
| 製品 | ACD | 待ち呼 | モニタリング | ウィスパリング | IVR |
|---|---|---|---|---|---|
| CT-e1/SaaS | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| Omnia LINK | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| MiiTel | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| BlueBean | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| CallConnect | 公式で確認できず | ○ | ○ | 公式で確認できず | ○ |
| ソクコム | 公式で確認できず | 公式で確認できず | ○ | ○ | ○ |
| GoodCall | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
ACD の列は、2026-10-02 に各社の公式サイトで確認し直しました。 公式サイトで確認できたのは、CT-e1/SaaS・Omnia LINK・MiiTel(MiiTel Call Center)・BlueBean・GoodCall の5社です。GoodCall は ACD(着信振り分け)とキューイング(待ち呼)の両方を、公式サイトの機能一覧に掲載しています。
CallConnect とソクコムは、公式サイトで「ACD」という機能の記載を確認できませんでした。CallConnect は「着信グループ内の複数のメンバーに一斉に着信が入ります」と、キューイングが掲載されています。ソクコムは「着信IVR」が適切な部門や担当者へ振り分ける機能とされています。「確認できず」は「無い」という意味ではないため、要件に含まれるなら直接ご確認ください。
表の5列とも、2026-10-02に各社の公式サイトで確認し直しました。CallConnect のウィスパリングとソクコムの待ち呼も、公式サイトで記載を確認できていません。いずれも「無い」という意味ではありません。
なお、MiiTel の ACD は MiiTel Call Center の機能で、標準かオプションかは、公式サイトの表示では確認できていません。CallConnect の待ち呼・モニタリングは、料金表でプランによる区分がある可能性があり、契約前にプランごとの対応をご確認ください。
規模の 実績は、 1社だけ 桁が 違う
機能が揃っていることと、その規模で動いた実績があることは別です。
| 製品 | 公表されている規模 |
|---|---|
| CT-e1/SaaS | 1,825テナント・32,000席以上(2025年6月時点)。金融・上場企業に多数 |
| MiiTel | 累計3,000社・ユーザー11万人超 |
| BlueBean | 300社 |
| Omnia LINK | 非公表。10席以上での使用が前提 |
| CallConnect | 非公表 |
| GoodCall | 単体では非公表 |
| ソクコム | 非公表(2023年サービス開始) |
席数まで公表しているのは CT-e1/SaaS だけです。 32,000席という数字は、社数ではなく実際に稼働している席の合計で、大規模受電で回った証拠になります。
MiiTel の3,000社は導入社数であって規模ではありません。1席の利用も1社と数えられるため、大規模の実績としては読み替えられません。
Omnia LINK は席数を公表していませんが、専用線(閉域網)を使う構成のため10席以上での使用が前提とされており、設計自体がコンタクトセンター規模に向いています。
席数が 増えたときの 月額
料金を公開している6社を、30席・50席で並べます。すべて税抜、通話料は含みません。
| 製品 | 固定費/月 | 席単価/月 | 30席 | 50席 |
|---|---|---|---|---|
| CallConnect | 0円 | 2,400円 | 72,000円 | 120,000円 |
| GoodCall | 5,000円 | 4,000円 | 125,000円 | 205,000円 |
| BlueBean | 0円 | 5,000円 | 150,000円 | 250,000円 |
| CT-e1/SaaS | 0円 | 5,000円 | 150,000円 | 250,000円 |
| MiiTel | 0円 | 5,980円 | 179,400円 | 299,000円 |
| Omnia LINK | 240,000円 | 9,000円 | 510,000円 | 690,000円 |
MiiTel の公開価格は税込のため税抜に換算しています。ソクコムは席単価が非公開のため除外しました。
Omnia LINK だけ桁が違います。 月額基本料金150,000円と専用VPC利用料90,000円という固定費に加え、初期費用が820,000円〜かかります。ただしこれは割高というより、専用線を敷いた閉域網構成の対価です。同じ土俵で比べる数字ではありません。
CT-e1/SaaS の表示額は下振れしています。 席単価5,000円はシートライセンスのみの額で、実際には外線ライセンス(同時接続チャネル数)と管理者ライセンスが各5,000円必要です。公式の見積例は「外線10ch+シート20席+管理4席=月額170,000円」で、初期費用も300,000円〜かかります。
止まったとき、 誰が 対応するか
大規模受電では、システム停止が事業の停止に直結します。100席が30分止まれば、失われる入電は数百件になります。
| 製品 | サポート体制 |
|---|---|
| CT-e1/SaaS | 平日9-18時/障害対応は年中無休 |
| BlueBean | 平日9-19時 |
| GoodCall | 平日10-19時 |
| MiiTel | 平日9-18時 |
| CallConnect | 平日10-18時 |
| ソクコム | 導入時マニュアル作成・操作研修・問い合わせ窓口あり(時間帯は非公表) |
| Omnia LINK | 情報未確認 |
障害対応を年中無休と明示しているのは CT-e1/SaaS だけです。 他社は平日日中の窓口で、土日祝や夜間に障害が起きたときの体制が公表されていません。
24時間365日の受電を運用するなら、ここは価格より先に確認すべき項目です。平日9-18時のサポートしか無い製品で、土曜の朝に電話が鳴らなくなったらどうするか。 その答えを持たずに契約する規模ではありません。
AI機能の 扱い
受電の品質管理にAIを使いたい場合、標準搭載かオプションかで総額が変わります。
- Omnia LINK ── 音声認識が標準搭載。生成AIによる自動要約、リアルタイムテキスト化、FAQリコメンド、応対品質の自動評価まで備えます。後処理を3割削減したとされます
- MiiTel ── 公式サイトで、通話の自動採点と、話速・トーク比率などの分析を確認できます
- BlueBean ── 通話の自動採点や話速などの分析は、公式サイトで記載を確認できていません。確認できたのは、文字起こし・要約のオプション(従量課金)です。両社の違いはMiiTel vs BlueBean 比較で整理しています
- CT-e1/SaaS ── 音声認識(文字起こし)は有償のアドバンストキット(Speech to Text)で、標準機能には含まれません。他社の生成AI要約サービスとの連携もあります
- GoodCall ── AI音声解析は、公式サイトで記載を確認できていません
「AIも使いたい」を要件に入れるなら、CT-e1/SaaS はオプション費用を含めた見積もりが必要です。
選び 方
- 数十〜数百席で、実績を重視する → CT-e1/SaaS。32,000席以上の稼働実績と、障害対応年中無休はこの群で唯一です。ただし初期300,000円〜と、外線・管理者ライセンスの積み上げを見積もりで確認してください。
- AIによる応対品質の自動評価まで欲しい → Omnia LINK。音声認識が標準で、生成AI要約も備えます。固定費240,000円・初期820,000円〜を許容できる規模であることが前提です。
- 数十席で、コストを抑えたい → BlueBean。30席150,000円で、文字起こし・要約はオプションで用意されています。ただし障害時の体制は平日9-19時です。
- 受電が中心で、まだ規模が小さい → CallConnect。30席72,000円と際立って安く、待ち呼・IVR・モニタリングは公式サイトで確認できます(ACDとウィスパリングは確認できていません)。ただしスモールスタート向けの製品で、大規模の実績は公表されていません(少人数・スモールスタートCTI比較)。
- 数十席で、受電も発信もまとめたい → GoodCall。30席125,000円で、ACDと待ち呼は公式サイトに掲載されています。ただし単体の導入社数・席数は公表されておらず、大規模受電での実績は確認できません。
大規模の受電では、機能表の○は出発点にすぎません。 その規模で動いた実績と、止まったときの体制。この2つを確認せずに決めると、価格差では取り返せない損失が出ます。
注意事項
- 本記事の数値は2025〜2026年時点の公開情報と社内リサーチに基づきます。
- 料金・機能・サポート体制は改定される場合があります。契約前に各社の最新情報をご確認ください。
- 「公式で確認できず」は、当窓口が公式サイトで確認できていないことを示し、機能やサービスの有無を意味しません。
- ACD・AI分析の記述は2026-10-02時点の各社公式サイトの表示内容に基づきます。
- 月額は公開値からの計算です。通話料・オプション・回線費用は含みません。